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シンプル・ライフ

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観劇日記パート2

hidari 「2003.12月京都南座顔見世興行」migi

12.1

観劇日記2003.12/6・7

 
2003.12.6~12.7
 夏ごろから今年の京都の南座の顔見世興行に昼と夜両方を見に行こうと母と話していたのだがチケットが取れたらと言うのが大前提なので、随分と計画が立てづらかったりもした今回の京都旅行。
 何故ならチケット発売が11/15からだったりするからだ。
 そう、歌舞伎のチケットの一般販売は公演の前月の中盤なのである。
 他の芝居やコンサートに比べてチケットの発売は遅い。だからこそ思いついた時に見にいける気軽さもあるのだろうが、早期計画を心がける私にとってはちょっと面倒だったりする。
 何処かのチケット優先会員になっていれば良いのだろうが、以前ファンクラブに入っていたにも関わらず、その年のコンサートのチケットが取れなくて憤慨したという過去を持つ私にとっては、それは無駄な事だという意識があるので一般販売狙いなのである。
 そのおかげで本来12/13.14に行くはずだったのに13の夜のチケットが完売の為、京都旅行を一週早めることになったのはご愛嬌である。結果的には一週早めたことにより寒いはずの京都が思ったよりもずっと暖かく快適だっただから。
 今回メインは観劇ではあるものの多少は観光もしようという事になっていたので、河原町近辺を軸にその周りを散策してみた。
 12/6は傘が無くてもなんとかなりそうな程度の雨が降っていた、最初は京都駅から旅館へ向かう目的は夜が遅いので仮のチェックインと荷物を預けるため、一泊二日だから量は減らしてあるもののなるべく余分なものは持ち歩きたくないからでもある。
 ホテルへの目印となる六角堂が近代的なビルの裏にヒッソリト存在しているのが、随分と極端な景観で今回私が巡った場所は大体がそんな風景だったりもする。
「敵は本能寺にあり」で、知られる織田信長が最後に討ち取られた本能寺なんて、商店街の中のパチンコ屋のお向かいにあったりするのだから。
 期待して行った人にとってはかなりガッカリするのではないだろう(少なくとも私は拍子抜けした・・・。)もっとも、現存する本能寺は全焼した後建てられた物だからそんなものなのかもしれない。
 今回絶対行こうと決めていたのが、祇園の花見小路を抜けた先にある建仁寺である。
 俵屋宗達の竜神雷神の屏風画を所有していることで有名なこのお寺で本物の国宝竜神雷神の屏風は現在国立博物館に保管してあるので、お寺に飾られているのはレプリカであった。
 ここには双竜図という、見ていると微笑ましくなるような二頭の阿吽の竜が戯れている天井画が飾られている。
 この天井画自体は寺の800周年の記念として2002年に登場したもので歴史としては新しい物である。
 天井で戯れる二頭の竜は、子供が見ても怖がらないと言うのが頷ける可愛らしさで。建仁寺の若い修行僧は「うちのお寺はあまり人が沢山来ないので、ゆったり出来る貴重な空間だと思いますよ」と言っていてリピーターも多いのそうだ。
 きっと私自身もここを再び訪れるその内の一人になることだろう。

 さて、いよいよ本命の歌舞伎見学である。
 正直に言ってしまえば南座の顔見世はとてもチケットが高い、多分歌舞伎公演では一番高額であると思う。
 それでも多くの人が見に集まるのは、出し物と役者の良さでは天下一品だからであろう。
 歴史のある建物ゆえ劇場は狭く、劇場設備も不便でもある。各階の階段は建物の左側にしかなく座席の場所によっては随分と、遠回りをして階下に行かなくてはならない。
 場内の通路は端の座席の片側にしかなく、人の出入りも座席幅が狭い為ワザワザ立ち上がらないといけない程である。母は「エコノミー症候群になりそう」と言っていた。
 但し、そのおかげで三階席でも花道七三(せりのある部分)も見える。物の怪や妖術使いはこのせりから登場することが多いので、その場合の登場シーンも楽しめるし、それに花道で行われる演技もちゃんと見られるのは嬉しい。
 今回は前日に夜の部、翌日に昼の部と二日通しての観劇であった。
 吃又の女房の献身的な夫への愛に感動し、吉田屋廓文章ではおっとりした大店の若旦那、伊佐衛門の頼りなさとその母性をくすぐる人間性に面白味を覚え、玉三郎の藤娘の美しさに見惚れる。
 様式美と色彩美溢れる舞台は至高といっても過言ではない、おかげで益々観劇の楽しみにのめり込み来年の顔見世が楽しみになるのであった。
hidari hidari migi migi


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